しがない人生

四季の移ろいを背景にして、 主人公の情感が、匂うような小説をupしていきます。

『雪国』のこと

「国境のトンネルを抜けると、雪国であった。
夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった」
という、書き出しで有名な、
川端康成の『雪国』を読んだのは、
十代後半の頃でした。
魂を揺さ振られるのと同時に、深い感銘を受けました。
以来、私の美の原点は、『雪国』の中にあります。
『雪国』は幾度か映画化されましたが、
誰がヒロインの「駒子」を演じても、違う、あれは「駒子」ではない、
と思ってしまいます。
小説が与えるイメージは、「駒子」の美しさを、より純粋に、あたかも雪の結晶のように純化してしまうからでしょうか。
『雪国』に限らず、川端康成の作品が映画化されると、そうした違和感を覚えます。

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